『春告魚~生ニシン~』
2013年2月
暦の上では春とはいえ、私たちの郡山の街は真冬の寒さが続いております。今回は、待ち遠しい春を少しでも味わっていただこうと思い「春告魚・生ニシン」をご紹介しましょう。
ニシンは「春告魚」とあてがうように旬は春です。夏に北上して豊富なプランクトンを腹いっぱい食べ、成魚となり冬に南下をし大きな群れをなして産卵をします。この卵が「数の子」で海藻に産み付ける所からカズノココンブの名もあります。カドの子とも言われますが、 カドとはアイヌ語でニシンという意味でこれが訛ってカズノコとなったといわれており、ニシンという名も身を二つ切りにして身欠ニシンにして干物にする所から二身(ニシン)とついたといわれます。この身欠ニシンも江戸時代から始まっており山間地では重要な保存食とされていました。
当市場にも北海道(礼文/石狩/標津など)から徐々に入荷して参りました。定置網で漁獲されたニシンは刺身で食せるほどの鮮度をもち、艶々した魚体で箱詰めされて産地より入荷して参ります。
煮る・焼く・揚げると用途は様々ですが、シンプルに塩焼きをオススメします。軽く塩をして30分以上おき弱火でじっくり表面をこんがりと焼き上げます。青魚ですが臭みが無くしっとりとしてホクホクな身はごはんのお供に、お酒の肴にピッタリな一品となるでしょう。ぜひ、今しか味わえない生ニシンを味わってみてはいかがでしょうか?