『初夏の香り』
2011年6月

さて、そんな梅雨の時期、海の魚にとっては「恵みの雨」。山からの栄養を含んだ水が海へと流れ、プランクトンが増えた海は豊な漁場となり、魚は丸々と太り大変美味しくなってきます。
その中で今回ご紹介する旬の魚は、島根県西部沖で漁獲される「どんちっち鯵」です。浜田港に水揚げされる真鯵の中でも高鮮度で脂質含有量が10%以上という基準値をクリアしたものだけを「どんちっち」としてブランド化されています。 この「どんちっち」とは、神楽の神楽の囃子を表現する幼児言葉で、それが転じて石見神楽そのものを意味するようになりました。この「どんちっち鯵」は「関アジ」・「恵比寿アジ」とならび全国トップレベルと称されています。
鮮度が良い為、刺身で食せば噛んだあごをも戻すくらい抜群の歯ごたえです。また、細かく切った身に味噌と生姜を加えてたたいた漁師料理の「なめろう」にしても絶妙な味わいです。煮・焼・揚においても身離れが良く箸が進むでしょう。旬の鯵(味)をぜひご賞味ください。