『もう一つの秋告魚~かます~』
2010年10月
長かった残暑も終わり、町はすっかり秋模様です。秋を代表する魚と言えば、今年は不漁と騒がれたサンマですが、徐々に水揚げが落ち着き皆様の食卓を彩っているのではないでしょうか。さて、今回ご紹介するのはサンマではなく、実はサンマより早く秋を告げる魳(かます)です。カマスは、見た目はサンマのように細長く鋭い歯を持っているのが特徴です。市場には、夏を旬とする青カマスと秋から冬を旬とする本カマス(赤カマス)が入荷し、本カマスはこれからさらに脂がのり、美味しくなります。
日本海や千葉以南の海域に分布し、神奈川県長井で水揚げされるカマスは、日戻りでの漁であり、型も大きく脂がのっていて当市場を含め、全国各地で人気があります。
カマスは選ぶ際は、魚体が大きく腹がしっかりとした物を選びましょう。また開く場合は他の魚と違い、頭を残し背開きにするので魚屋さんに聞いてお試し下さい。
上品な秋の味覚をご堪能ください。
~「カマスの焼き食い一升飯」~
脂ののった旬のカマスは、塩焼きが一番とされています。身質は、やや水っぽく柔らかいので刺身にするよりは、加熱調理が向いている魚です。一夜干し(軽く塩を振り冷蔵庫に30分入れただけでも大丈夫)にすると、水分が抜けうまみが増し美味しく頂けますので、ぜひご家庭でお試しください。