『鍋で旬を食す』
Vol.3~鰤(ブリ)~
2009年2月
暦の上では春ですが、まだまだ寒さが続く中、皆様いかがお過ごしでしょうか。さて、今回ご紹介したい鍋料理は、鰤(ブリ)しゃぶです。ブリは、出世魚の代表格で縁起が良い魚とされ、西日本・北陸地方ではお正月料理には欠かせない食材です。ブリの旬は冬から春先とされ、日本海で水揚げされたブリは、寒ブリの中でも上物と評価されています。その中でも、富山県の富山湾内を回遊している寒ブリは、上品な脂がのって肉厚なことから、市場でも高値で取引されています。
ブリも天然物が減少し、価格が高価であるため養殖物が一般的に販売されています。最近では養殖技術も向上して、天然に近い環境と安全な人工飼料で、天然に近い良質な身質になっています。また、水揚げから市場に入荷するまでの経路も産地と当市場を最短につなぎ、高鮮度の状態で店頭に並べられています。
今年は、天然物の水揚げも多く見られていますので、この機会に養殖物と天然物を食べ比べてみてはいかがでしょう。
さて、そのブリを使ったブリしゃぶは、まだ寒いこの季節にピッタリの料理になるでしょう。調理法はシンプルで、水を張った鍋に昆布を入れ、薄く切った身を湯通しし、ポン酢で食べます。野菜は後で入れると、ブリのダシも効いてより一層旨みが増すので、ぜひお試し下さい。残りわずかの寒さをブリしゃぶで吹き飛ばしましょう。