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SEASONAL NEWS

『春を告げる生ニシン』

2008年3月

 風、まだ寒い早春。市場には春を告げる魚の一つ、北海道の生ニシンが入荷してきました。ニシンはアイヌ語でカド・カドイワシとも呼ばれており、ニシンの卵の「数の子」は「カド(ニシン)の子」がなまってできたとも言われています。

 明治時代には最盛期だった国内のニシン漁も戦後は急激に激減し、国外産のニシンに依存してきましたが、近年では、国内の漁獲も少しずつ持ち直し、北海道を始め三陸地方での水揚げも見られるようになりました。それもひとえに、漁業関係者による乱獲防止策や、種苗の放流などの試みがあったおかげと感じられます。

 さて、ニシンと聞くと丸干しや身欠きニシンをイメージされる人も多いと思いますが、今が旬で今しか食べられない、この春の生ニシンをぜひご賞味ください。調理法はシンプルに塩焼きがおすすめです。脂が皮に焼けつく香ばしさと、適度の焦げ目が風味をひき出し、大根おろしに醤油を添えれば出来上がりです。

 サンマやアジと同じ青魚のニシンは、EPA(血液をサラサラにする)やDHA(脳の働きの良化)を豊富に含む優等生です。ニシンは骨が多く、食べづらく感じると思われますが、国産のニシンは国外産に比べ骨も身も柔らかく、ニシン嫌いな人でも美味しく感じられることでしょう。

 
鰊・鯡
一般的には鰊(ニシン)と書かれますが、江戸時代には重要な食料とみなされ、海から獲れる米と考えられたことから鯡(魚にあらず)とも書かれたそうです。