『海のパイナップル ホヤ』
2007年6月
今月は、初夏を彩る食材「ホヤ」をご紹介しましょう。「ホヤ」と聞くと苦手な方が多いようですが、外見の姿から「海のパイナップル」とよばれ、磯の味を楽しむことが出来ます。この磯の香りは。水揚げ数時間でオクタノール、シンチアノールという成分が生成されるためです。何よりも鮮度が命と言うわけです。日本には「マホヤ」「アカボヤ」「スボヤ」の三種類が食用としてあります。マホヤは、北海道から九州にかけて生息しています。アカボヤやスボヤは、冷水域の北海道や青森周辺に生息しています。現在流通しているホヤの95%は養殖です。ほとんどが宮城や岩手・青森で養殖されています。古くはぶどうのつるを海中に入れ、おたまじゃくしのように動き回るホヤの稚魚を付着させ育てる養殖法が行われ、現在の規模の筏に発展したそうです。
中でもアカボヤは希少で、市場に入荷する時期も短く、磯臭さや苦味が薄く甘味が多いのが特徴。私事ですが、ホヤ嫌いのひとりでありましたが、弘前で「このホヤはアカボヤといって違いますよ」と勧められ、食べた時からホヤ好きに転身しました。口に広がる磯の香りと甘味が爽やかでした。
「ホヤはキュウリとともに肥える」という言葉がありますように、畑でキュウリが生育する晩春から初夏にかけて、海ではホヤが良く育ち味も良くなるという意味。また、魚介類には必ず相性の良い野菜があります。まさにこのキュウリとホヤで酢の物にすれば磯臭さが消え、爽やかな初夏の味を堪能できること間違いなし!