『ウニ』
2007年5月
新緑がまぶしい季節となりました。GWの真っ只中のこの時期、ドライブで海や山へ出かけられる方も多いと思います。さて今月は「ウニ(雲丹)」をご紹介しましょう。山々で新緑が色を増す時期と同じく、海底では昆布やアマモ・アオサ・海苔などの海藻類も成長が著しくなり、それを餌とする「ウニ」も成長し、身入りも良くなります。
「ウニ」には、赤ウニ(馬糞ウニ)と白ウニ(紫ウニ)があります。赤ウニは、大半が青森以北に生息していて、ウニ類の中で最も美味といわれ、価格も高価で取引されています。11月~3月が漁期で濃厚な甘味が堪能できます。
「白ウニ」は、青森以南から香港までの浅瀬の磯に生息していて、磯の岩を起こすと良く見かけます。身色は赤ウニより薄く淡い黄色で、棘が長いのが特徴です。味は甘味がやや薄く、赤ウニに比べて淡白です。価格のほうも安価で取引されています。主に青森の太平洋側から岩手・宮城・いわき周辺で水揚げされ、我々郡山市民にとっては身近な産地から入荷します。5月~8月が漁期です。
青森のいちご煮(ウニとあわびを塩味で煮たもの)と並び、いわきの貝焼きは有名です。剥いた卵巣をホッキの貝殻に5~6個分盛り付けて石鍋で7~8分焼き、水分を飛ばしたものです。とても濃厚な味が楽しめます。いわきでは、保存のために焼いて流通させたと聞きました。いわき出身の方は、帰省した時におみやげとして買って帰るそうです。生で食すも焼きウニで食すも、身近な産地の初夏の味を楽しんでください。