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SEASONAL NEWS

『新潟・佐渡の甘エビ』

2007年3月

 毎日穏やかな日が続き、いつの間にか雪の降らない冬が終わろうとしています。寒いよりは暖かい方が過ごしやすいとは言えますが、本来であれば、自然の原理原則から言うと、寒い時は寒く、暑いときは暑い年の方が、魚も美味しいのです。先日のニュースで見ましたが、東京湾に熱帯魚が生息していたり、富山湾で南方魚である「ハリセンボン」が水揚げされたりと、異常気象で水揚げ地や旬のずれを感じ、将来どうなるのか不安と危機感が募ります。

 さて今回、新潟佐渡ヶ島の甘エビの籠漁を紹介します。現地で南蛮海老(学名ホッコク赤エビ)と呼ばれ、春告げ魚のひとつとして漁が行われています。午後3時頃、船で沿岸の漁場に向かいます。前日、籠の中にニシンやサンマ・ホッケの切身などを入れて仕掛けておいた籠を引き揚げます。夜間、餌を食べに水深200mから沿岸によってくる習性を利用して捕獲するのです。夕方水揚げされた甘エビは、氷を敷いた箱に入れられ、フェリーで新潟港へ輸送。その日の午前中に郡山市場へ運ばれ、夕方には小売店に並びます。三分の一位は活きていて、透明感があります。

 身はぷりぷりしていて、甘味が強く、刺身で良し、また頭は味噌汁で。冬明けの濃厚な味を堪能ください。